北京のロックバンド。前身は四川省成都の黒馬楽隊で、1991年12月に更なる音楽発展のために北京に来た。そこで、王曉京に認められ、周迪（G）・郭亮（Key）・鄭朝暉（Dr）・胡曉海（B）らは指南針楽隊を結成する。その後、遅れて当時17歳の女性・羅［王奇］（Vo）のほか、苑丁（Sax）・岳浩昆（B）が加入し、メンバーが揃う。また、専属の作詞家として、洛兵もバンドに参加する。

　結成から半年も経たずにアルバムをレコーディング（のち1994年に発売）する。この時の彼らは様々な音楽スタイルをフュージョンしたバンドであった。その後、杭州・青島・武漢・西安・重慶・成都等の各地でコンサートを開いた。1993年5月12日には、羅［王奇］が喧嘩をし、左眼を失うというハプニングに巻き込まれるが、7月18・19日には、北京首都体育館で開かれた“奥運−中国之夢”大型ロックコンサートに参加した。

　やがて1994年春になり、羅［王奇］がバンドを脱退してしまうが、1stアルバム『選択堅強』が発売となった。収録曲の「我没有遠方」、「随心所欲」は上海・武漢・大連・瀋陽・南京・広州・北京などのラジオのヒットチャートで1位に輝く。また、『選択堅強』が雑誌『上海電視』の1994年度の大陸・香港・台湾流行音楽10大アルバムのトップとなったほか、雑誌『当代歌壇』では1994年度大陸最優秀歌手と評された。香港や日本でもアルバムが発売となり、各地の媒体でもアルバムが紹介された。

2ndアルバムより
左から：鄭朝暉・周迪・郭亮・岳浩昆・劉崢［山栄]・苑丁

　同年夏には新しいボーカリストとして、劉崢［山栄]（丑丑）が加入した。同年末には、“94中国風”大型コンサートに参加した。また、中国文化の代表として、シンガポールを訪問する。

　劉崢［山栄]が加わったとはいえ、羅［王奇］のバックバンド的存在であった指南針楽隊にとって、羅［王奇］の脱退は致命的であった。その後しばらくの間は活動が停滞し、生活のために香港安恒利公司の宣伝バンドとして活動したこともあった。

　1997年初には、北京京文音像公司と正式契約、11月には『無法逃脱』を発売した。たまにソロライブや田震のバックバンドとしてを表に顔を出していたが、個人のソロ活動が中心となっていった。

　2000年9月16日になり、北京のオリンピックスタジアムで行われた“2000年現代音楽演唱会”に参加し、なお健在であることを見せ付けた。12月24日、温州体育中心体育場で行われた“2000中国揺滾巨星温州演唱会”に出演した。

1stアルバム発売時のメンバー
左から：周迪・郭亮・苑丁・羅［王奇］・岳浩昆・鄭朝暉
（北京星die文化発展公司より）

　指南針楽隊とそのメンバーはポップス歌手のバックバンドを務めたり、ポップス歌手のために曲を提供したりすることが中心となっているが、その理由としてすでにロックな感触が消え薄れたことによるそうである。バンドとしては、商業的なコンサート依頼がない限り、一緒に活動をする事はないと宣言している。

　2003年11月、中国ロック初期の曲を集めたオムニバス『吶喊　為了中国曾経的揺滾』が発売となり、そこに「我是一只小小鳥」が収録された。

　2004年8月6日、寧夏回族自治区銀川市の賀蘭山の麓で行われた“中国揺滾的光輝道路”大型音楽節に、羅［王奇］&指南針楽隊として出演した。

指南針楽隊結成直後
左から：胡曉海・郭亮・羅［王奇］・鄭朝暉・周迪
（流行・揺滾　王曉京制作歌曲精選'90〜'97�@より）

　2007年7月21日、重慶の江北力帆休閑広場で行われた“盛世英煌夏威夷風情派対”に参加した。

　2008年5月30日、愚公移山で行われた[シ文]川大地震被災者チャリティライブに参加した。