蒼蠅楽隊 THE FLY

北京語:ツァンイン

 北京のバンド。1993年10月、豐江舟(Vo)・宋永紅・王勁松・顔磊によって結成。メンバーはみな前衛芸術家。のち、豐江舟以外のメンバーは変わり、1995年には、高勝春(リードG)・馬旌(リズムG)・王磊(B)・王岩(Dr)となる。王磊がメンバーだった頃、單曉帆(Dr)も加入したことがあった。間もなくして馬旌・王岩が脱退し、關菲(Dr)が加入する。1995年前後、「涅槃」・「[イ尓]真譲我発笑」・「是槍還是子弾」・「芒果樹」がレコーディングされ、さまざまなオムニバスに収録された。これまでの中国音楽になかった、その過激な歌詞が話題となる。ただ、「芒果樹」だけは、レコード会社の自主規制により、世間に出ることはなかった(2000年になり、『揺滾北京V』の台湾盤に収録された)。1995年8月4日、星苑娯楽城(大球)でライブを行った。

 1996年になり、佐藤あつし(B)が加入、その佐藤あつしに連れられて、高橋浩二(G)も加入し、日本人が2人もいるという特殊なバンドになった。アンダーグラウンドシーンで評判となり、一時期は、北京アンダーグラウンド界を代表するバンドと言われるようになる。

1998年までのメンバー
左から:
豐江舟(Vo)・佐藤あつし(B)・高橋浩二(G)・關菲(Dr)

 しかし、高い評判とは裏腹に、アルバムを発売してくれるレコード会社が大陸では見つからず、まずは1997年6月に台湾で1stアルバムを発売することとなった。大陸でも彼らの曲が流れることがあったが、歌詞が過激で下品であるため、彼らのMVを放映したテレビ局の担当者は謹慎処分になったり、香港のテレビ局・チャンネルVではMVが放映禁止となった。

 次第に蒼蠅楽隊の名前も有名になっていき、1998年10月には、香港に赴き“音楽植民地100期紀念音楽会”に参加し、BEYONDや少年ナイフと同じ舞台に立つ。

 しかし、この年の北京でのライブ活動を最後に、高橋浩二は帰国し、日本でのバンド活動に専念、佐藤あつしも日本へ帰国し、活動を一時的に休止する。

1998年8月1日、[ロ豪]叫倶楽部でのライブより
この時、ドラムは
魏東が務めていた
(撮影:YIREN)

 1999年には、摩登天空BADHEADと契約し、4月に中国国内で1stアルバムが発売となった。以前より規制が緩和されたため、発売できることとなったが、それでも、蒼蠅というバンド名をジャケに使わず、英語名のみの記載、また歌詞カードを一部変更するという処置がとられた。

 同年春には活動を再開、日本人のメンバーの代わりに虎子(G)・李劍(B)・張蔚(Dr)など、病醫生楽隊のメンバーがサポートを務めた。3月29日、河北省唐山の西山口倶楽部で行われた“春天来了!!!‐1999中国新音楽発表会”に参加した。4月に行われたKurt Cobain追悼ライブでは派手なメイクをして参加した。夏には佐藤あつしが中国に戻り、バンドに一時的に復帰、内モンゴルのフフホトでのライブを行った。10月、瀋陽で行われた“光大銀行瀋陽戸外揺滾節”に出演した。

 2000年4月8日、莱茵河声場で日本のバンド・QP-CRAZYと共にライブを行った。8月には、1998年にレコーディングされた2ndアルバムが発売となった。11月26日には、河南省洛陽の014倶楽部でライブを行った。

1994年頃の写真
(写真:
神揺第二章・・別再躱蔵

   2001年夏のメンバーは、豐江舟(Vo)・虎子(G)・佐藤あつし(B)・張蔚(Dr)であったが、9月からは木頭武盟科)(G)が加入した。

 2004年5月、インディーズアルバム『豊江舟紀念鉄盒』を発売し、その中に過去のアルバムに収録されていない作品やMVが収録された。12月18日、マレーシア・クアラルンプールで行われた“跨楽疆界−当電音遇上揺滾跨国音楽節(Trans-Regional Sounds Music Festival)”に参加した。豐江舟高橋浩二佐藤あつし關菲の4人によるライブは6年振りであった。(一部情報提供:XIAOXUEさん、佐藤あつしさん)

 

 

●アルバム

タイトル 出版 発行 制作 発行年 品番 地域
the fly>i MUDROCK直接流行有限公司、同心圓股[イ分]有限公司代理発行   1997/6 HPR001(CD版) 台湾
株式会社メタカンパニー   1997 XS-0043(CD版、対訳付き)、CH=0043(CD版、対訳無し) 日本
摩登天空有限公司国内版権代理、国際文化交流音像出版社、正大国際音楽制作中心出版発行 王[日斤]波&THE FLY 直接流行有限公司 1999/3 A-002,HPR001,ISRC CN A26-99-330-00/A.J6(CD版) 中国
第三只眼音楽工作室総代理 黄火 1999 HH003-2A(CD版) マレーシア
the fly>z 中唱深[土川]公司、北京京文音像公司 [ロ豪]叫唱片 2000/7 ISRC CN-A01-00-341-00/A-J6,CCD-2000/011A(CD版) 中国
the fly>ii 直接流行有限公司 2000/9 HPR005(CD版) 台湾

 

●インディーズアルバム(→豐江舟豐江舟記念鉄盒』)

 

●ソロ発表曲

曲名 アルバム名 発行年 備考
涅盤 神揺第二章・・別再躱蔵 1995 成長状態001』には収録されていない
BAD HEAD 1999 曲名は「涅槃」▽非売品▽1stアルバムと同じ
[イ尓]真譲我発笑 揺滾特快 1996  
是槍還是子弾 中国揺滾V 1995/7 [口/力]類[才并]盤』も▼MVあり
生活教育了我 摩登天空2 1998/12 1stアルバムと同じ
城市生活 朋克時代 VOL.1 1998  
美好的生活 BAD HEAD 1999 非売品
唱首情歌給[イ尓]聴 摩登天空有声音楽雑誌1 1999/6 1stアルバムと同じ
芒果樹 揺滾北京V 2000 台湾盤のみ
【[ロ豪]叫唱片】経典単曲白皮書 VOL.1 2004/2  
革命揺滾 中国語ジャーナル 2001年8月号 2001/7 2ndアルバムと同じ

 

●出演

出演媒体 曲名(題名) 映像名 発行年 参加形態 備考
CD 蒼蠅訪談 BAD HEAD 1999 インタビュー 非売品
VCD   摩登天空有声音楽雑誌 CALENDAR 1999 インタビュー  

 

●関連サイト−日本語のサイト

蒼蠅(ザ・フライ)インタビュー」(日本語)
揺滾音楽のサイトにある。1stアルバム製作後のインタビューや、アルバム紹介(日本語訳)がある。

●関連サイト−中国語簡体字のサイト

[ロ豪]叫唱片」(中国語GB)(相互LINK!)
レコード会社のサイト。写真が掲載されている。BBSもあり。

蒼蠅」(中国語GB)
MTV−CHINA.COM[口/力]類王国というコーナーで紹介されている。曲の試聴もできる。

北京“地下楽隊”考察報告」(中国語GB)
バンドプロフィールなどがある。1995年の記事。

烙印揺滾音楽網」(中国語GB)
ライブレポートがある。

●関連サイト−中国語繁体字のサイト

泛華藝化網」(中国語Big5)
台湾でアルバムを発売したときの会社、直接流行のサイト。簡単な記載がある。

 

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