「呼吸楽隊」の版間の差分

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| name                = 呼吸楽隊
 
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| iamge_caption        = 1990年 - 1991年秋のメンバー。左から：[[鄒世冬]]・[[蔚華]]・[[曹軍]]・[[趙牧陽]]・[[柳文利]]・[[高旗]]。雑誌『環球歌壇　中外明星画刊』（中国電影出版社、1992年）より。（写真提供：幸治隆子さん）
 
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[[Image:Huxi_14.jpg|thumb|黄河にて。（写真：[http://blog.sina.com.cn/jiqingyuedui BLOG]）]]
 
[[Image:Huxi_14.jpg|thumb|黄河にて。（写真：[http://blog.sina.com.cn/jiqingyuedui BLOG]）]]
 
[[Image:Huxi_15.jpg|thumb|[[河北電視台]]での写真。1991年秋以降のメンバー。（写真：[http://blog.sina.com.cn/jiqingyuedui BLOG]）]]
 
[[Image:Huxi_15.jpg|thumb|[[河北電視台]]での写真。1991年秋以降のメンバー。（写真：[http://blog.sina.com.cn/jiqingyuedui BLOG]）]]
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[[Image:Huxi_16.jpg|thumb|左から：[[高旗]]・[[鄒世冬]]・[[蔚華]]・[[柳文利]]・[[趙牧陽]]・[[曹均]]。（写真提供：周俭、[http://www.weibo.com/u/2759042594 优蝶]）]]
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[[Image:Huxi_17.jpg|thumb|1998年8月1日のライブポスターより。（写真提供：周俭、[http://www.weibo.com/u/2759042594 优蝶]）]]
  
 
'''呼吸楽隊'''（フゥシィ、Huxi）は、1980年代末から1990年代にかけて、[[北京市]]で活動していたバンド。紅一点の[[蔚華]]の[[ボーカル]]が国内外で注目を浴びた。
 
'''呼吸楽隊'''（フゥシィ、Huxi）は、1980年代末から1990年代にかけて、[[北京市]]で活動していたバンド。紅一点の[[蔚華]]の[[ボーカル]]が国内外で注目を浴びた。
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== メンバー ==
 
== メンバー ==
  
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*'''[[蔚華]]'''　[[リードボーカル]]（1989年初 - 1993年） -- 女性。
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*'''[[曹軍]]'''　[[リードギター]] & [[ボーカル]]（1989年初 - 1999年） -- やがて[[深呼吸楽隊]]を結成した。
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*'''[[曹鈞]]'''　[[リードギター]] & [[ボーカル]]（1990年 - 1999年） -- やがて[[深呼吸楽隊]]を結成した。
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*'''[[柳文利]]'''　[[リズムギター]]（1990年 [[ギター]],1990年 - 1991年秋 [[ベース]],1991年秋 - 1999年 [[リズムギター]]） -- [[ギタリスト]]として加入したが、[[呉運涛]]の脱退により、[[ベーシスト]]に転向した。
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*'''[[柳文利]]'''　[[リズムギター]]（1990年 - 1999年,1990年 [[ギター]],1990年 - 1991年秋 [[ベース]],1991年秋 - 1999年 [[リズムギター]]） -- [[ギタリスト]]として加入したが、[[呉運涛]]の脱退により、[[ベーシスト]]に転向した。
 
 
*'''[[顧忠]]'''　[[ベース]]（1991年秋 - 1994年）
 
*'''[[顧忠]]'''　[[ベース]]（1991年秋 - 1994年）
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*'''[[馬禾]]'''　[[ドラム]]（1991年秋 - 1999年） -- やがて[[深呼吸楽隊]]を結成した。
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*'''[[馬禾]]'''　[[ドラム]]（1991年秋 - 1999年?） -- やがて[[深呼吸楽隊]]を結成した。
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*'''[[鄒世冬]]'''　[[キーボード]]（1989年初 - 1999年） -- リーダー。やがて[[深呼吸楽隊]]を結成した。
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*'''[[鄒世冬]]'''　[[キーボード]]（1989年初 - 1999年,一時期 [[ベース]]） -- リーダー。[[傅雷]]在籍時は[[ベース]]。やがて[[深呼吸楽隊]]を結成した。
  
 
=== 過去に在籍したメンバー ===
 
=== 過去に在籍したメンバー ===
  
 
*'''[[高旗]]'''　[[ギター]] & [[ボーカル]]（1989年初 - 1991年秋） -- バンド脱退後、[[趙牧陽]]と共に[[超載楽隊]]を結成した。
 
*'''[[高旗]]'''　[[ギター]] & [[ボーカル]]（1989年初 - 1991年秋） -- バンド脱退後、[[趙牧陽]]と共に[[超載楽隊]]を結成した。
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*'''[[呉運涛]]'''　[[ベース]]（1989年初 - 1990年）
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*'''[[呉運涛]]'''　[[ベース]]（1989年初 - 1990年） -- [[1990現代音楽演唱会]]に参加。
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*'''[[劉効松]]'''　[[ドラム]] & [[パーカッション]]（1989年初 - 1990年） -- [[90現代音楽演唱会]]後、脱退した。
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*'''[[劉効松]]'''　[[ドラム]] & [[パーカッション]]（1989年初 - 1989年12月）
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*'''[[趙牧陽]]'''　[[ドラム]]（1990年 - 1991年秋） -- [[90現代音楽演唱会]]後に加入。バンド脱退後、[[高旗]]と共に[[超載楽隊]]を結成した。
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*'''[[趙牧陽]]'''　[[ドラム]]（1990年2月 - 1991年秋） -- [[1990現代音楽演唱会]]直前に加入。バンド脱退後、[[高旗]]と共に[[超載楽隊]]を結成した。
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*'''[[蔚華]]'''　[[リードボーカル]]（1989年初 - 1993年） -- 女性。
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*'''荘飈'''　[[キーボード]]（1990年） -- [[1990現代音楽演唱会]]に参加。[[ADO楽隊]]のライブやレコーディングにも参加。
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*'''[[竇鵬]]'''　[[キーボード]]（1995年頃）
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*'''[[劉偉]]'''　[[ボーカル]]（1999年?）
 
*'''張明'''　[[ハーモニカ]] -- 2007年、[[頑主楽隊]]を結成した。
 
*'''張明'''　[[ハーモニカ]] -- 2007年、[[頑主楽隊]]を結成した。
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*'''汪正正'''　[[ボーカル]] -- 元・[[単行道楽隊]]のメンバー。1999年、オムニバス『找妹子』に「打工妹」を発表した。
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*'''[[傅雷]]'''　[[キーボード]] -- 汪正正在籍に在籍。
  
 
== 経歴 ==
 
== 経歴 ==
  
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=== 結成からアルバム発売まで ===
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=== 初の海外レコード会社との契約バンドとして ===
  
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1988年末、[[高旗]]や[[曹鈞]]の2人で結成したバンドに、[[劉効松]]・[[呉運涛]]・[[鄒世冬]]が参加する。1989年初には初ライブを行なった。この時は、[[高旗]]がボーカルを務めた。間もなくして女性の[[蔚華]]がボーカリストとして参加し、呼吸楽隊が結成となった。バンド名の意味は「音楽を空気のように満たそう」で、[[蔚華]]が付けた。4月、呼吸楽隊と名乗ってから初のライブを行なった。[[蔚華]]による[[ボーカル]]はすぐに音楽関係者の興味を引き、6月1日には、[[台湾]]の[[真言社公司]]とアルバム契約をした。中国初の海外の会社との契約バンドとなる。12月からレコーディングを開始し、2ヶ月程度でアルバムが完成となった。
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1988年末、[[高旗]]や[[曹軍]]の2人で結成したバンドに、[[劉効松]]・[[呉運涛]]・[[鄒世冬]]が参加する。1989年初には初ライブを行なった。この時は、[[高旗]]が[[ボーカル]]を務めた。間もなくして女性の[[蔚華]]が[[ボーカリスト]]として参加し、呼吸楽隊が結成となった。バンド名の意味は「音楽を空気のように満たそう」で、[[蔚華]]が名付けた。4月、呼吸楽隊と名乗ってから初のライブを行なった。[[蔚華]]による[[ボーカル]]はすぐに音楽関係者の興味を引き、6月1日には、[[台湾]]の[[滾石唱片]]のロックレーベル・[[真言社公司]]とアルバム契約をした。中国初の海外のレコード会社との契約バンドとなる。契約してからは、毎月2000元の月給をもらったほか、1万元強分の楽器などの設備を購入してもらい、一躍[[北京ロック界]]で大金持ちとなる。しかし、まったくレコーディングしないまま、契約解除となった。それは[[蔚華]]が1人でKenny Bloomの会社・[[KB Communications]]と契約してしまい、残ったメンバーは活動が[[真言社公司]]の契約通りに動くことができなくなってしまったためである。その後、呼吸楽隊は[[KB Communications]]とバンドとして契約した。12月からレコーディングを開始し、2ヶ月程度でアルバムが完成となった。このレコーディング前に[[劉効松]]がバンドを離れることになり、レコーディングに参加しなかった。
  
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1990年2月17・18日には、[[北京市]]の[[首都体育館]]で開かれた[[90現代音楽演唱会]]に出演し、トリを務めた。この時、[[高旗]]・[[曹鈞]]が1曲ずつ、[[蔚華]]が3曲ボーカルを担当した。このライブ後には[[劉効松]]が脱退し、[[趙牧陽]]が加入した。また、[[柳文利]]が第3の[[ギタリスト]]として加入したが、[[呉運涛]]が脱退したことで、[[柳文利]]はベースを担当した。
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=== 人気の絶頂期 ===
  
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[[90現代音楽演唱会]]以降は、人気も急上昇し、毎月コンサートがあり、大陸中を駆け巡っていた。5月には[[北京市]]のロックバンドによる初の外地遠征となる[[深圳之春]]コンサートに出演した。8月、[[台湾]]と[[香港]]で1stアルバムが発売となったが、レコード会社によって、アーティスト名が[[衛華]]、アルバム名が『[[呼吸（呼吸楽隊）|太陽昇]]』という名前で発売され、当初バンドが意図していたものとは異なってしまった。また、アルバムの出来に納得しなかったメンバーは、11月に[[ドラム]]を新しくレコーディングし、リミックスし直した。
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1990年初、[[趙牧陽]]が加入する。2月17・18日には、[[北京市]]の[[首都体育館]]で開かれた[[1990現代音楽演唱会]]に出演し、トリを務めた。この時、[[高旗]]・[[曹軍]]が1曲ずつ、[[蔚華]]が3曲[[ボーカル]]を担当した。また、[[柳文利]]が第3の[[ギタリスト]]として加入したが、[[呉運涛]]が脱退したことで、[[柳文利]]は[[ベース]]を担当した。
  
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=== 人気絶頂期 ===
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[[1990現代音楽演唱会]]以降は、人気も急上昇し、毎月コンサートがあり、大陸中を駆け巡っていた。5月には[[北京市]]のロックバンドによる初の外地遠征となる[[深圳之春]]コンサートに出演した。8月、[[台湾]]と[[香港]]で[[太陽昇（衛華）|1stアルバム]]が発売となったが、[[KB Communications]]と先に契約した時に[[蔚華]]1人での契約が先であったため、レコード会社によって、アーティスト名が[[衛華]]、アルバム名が『[[太陽昇（衛華）|太陽昇]]』という名前で発売され、当初バンドが意図していたものとは異なってしまった。本来は、[[台湾]]・[[香港]]・[[シンガポール]]・[[マレーシア]]・[[中国]]同時発売を考えていたが、[[中国盤]]発売当日の朝になり、発売中止の通達が来たため、お蔵入りとなった。のちに[[蔚華]]の[[中央電視台]]で司会を担当した映像がライブラリーから削除されるなど、文化部との軋轢があった経緯によるものだと思われる。諸問題があり発売までいろいろ困難に見舞われたアルバムだが、メンバーからしてみれば納得のいく出来ではなく、11月に[[ドラム]]を新しく追加レコーディングしたほか、リミックスし直した。
  
 
1991年秋、音楽スタイルの違いから、[[高旗]]と[[趙牧陽]]が脱退した。代わりに[[馬禾]]・[[顧忠]]が加入、[[柳文利]]が[[リズムギター]]に変更となった。
 
1991年秋、音楽スタイルの違いから、[[高旗]]と[[趙牧陽]]が脱退した。代わりに[[馬禾]]・[[顧忠]]が加入、[[柳文利]]が[[リズムギター]]に変更となった。
  
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1992年9月18日、1992年の国際減災日を記念したアートフィルム『孩子 太陽 世界』を河北省秦皇島の海の上に作られた特設舞台で撮影した。
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1992年9月18日、1992年の国際減災日を記念したアートフィルム『孩子 太陽 世界』を[[河北省]][[秦皇島市]]の海の上に作られた特設舞台で撮影した。
  
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1993年にはリミックス版の1stアルバム『[[呼吸（呼吸楽隊）|呼吸]]』が中国国内で発売となった。この中国盤の発売によって、ようやく呼吸楽隊の名前が公表されることになり、人気が一気に急上昇した。3月には、[[オムニバス・アルバム]]『[[揺滾北京]]』発売記念ライブに参加し、そこで「新世界」を歌った。7月18・19日には、[[北京市]]の[[首都体育館]]で行なわれた[[奥運－中国之夢]]大型ロックコンサートに参加した。呼吸楽隊の最盛期はここまでで、この後、[[蔚華]]が脱退してしまい、バンドは自然に消滅していった。
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1993年にはリミックス版の1stアルバム『[[呼吸（呼吸楽隊）|呼吸]]』が中国国内で発売となった。この中国盤の発売によって、ようやく呼吸楽隊の名前が公表されることになり、音楽ファンに知れ渡ることになった。3月には、[[オムニバス・アルバム]]『[[揺滾北京]]』発売記念ライブに参加し、そこで「新世界」を歌った。7月18・19日には、[[北京市]]の[[首都体育館]]で行なわれた[[奥運－中国之夢]]大型ロックコンサートに参加した。のちに[[蔚華]]も語っているが、このコンサートは大失敗に終わり、その失意もあり、[[蔚華]]が脱退してしまい、バンドは活動を停止した。
  
 
=== 蔚華脱退後 ===
 
=== 蔚華脱退後 ===
  
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その後名前を聞かなくなるが、数年後にバンド活動を少しづつ再開した。ただ、[[蔚華]]がバンドに復帰することはなかった。
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数年後、新たなメンバーを加えてバンド活動を少しづつ再開した。ただ、[[蔚華]]がバンドに復帰することはなかった。
  
 
1999年には、[[北京市]]のバーで毎週ライブを行なった。この頃は欧米のヒット曲のカバーを演奏していた。同年、流行歌手の思暘がアルバムを発売した。そのレコーディングには、呼吸楽隊の面々が参加していたが、呼吸楽隊として参加したわけではない。呼吸楽隊のメンバー自体の関係が良かったため、一緒にレコーディングを行なっただけである。
 
1999年には、[[北京市]]のバーで毎週ライブを行なった。この頃は欧米のヒット曲のカバーを演奏していた。同年、流行歌手の思暘がアルバムを発売した。そのレコーディングには、呼吸楽隊の面々が参加していたが、呼吸楽隊として参加したわけではない。呼吸楽隊のメンバー自体の関係が良かったため、一緒にレコーディングを行なっただけである。
  
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2002年半ばになり、[[曹鈞]]・[[鄒世冬]]・[[馬禾]]の3人は、[[深呼吸楽隊]]を結成した。
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2002年半ばになり、[[曹軍]]・[[鄒世冬]]・[[馬禾]]の3人は、[[深呼吸楽隊]]を結成した。
  
 
2003年11月、中国ロック初期の曲を集めた[[オムニバス・アルバム]]『[[吶喊　為了中国曽経的揺滾]]』が発売となり、そこに「每次都想拥抱你」が収録された。
 
2003年11月、中国ロック初期の曲を集めた[[オムニバス・アルバム]]『[[吶喊　為了中国曽経的揺滾]]』が発売となり、そこに「每次都想拥抱你」が収録された。
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== 評価 ==
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中国初の女性[[ボーカリスト]]によるロックバンドで、その女性[[ボーカリスト]]・[[蔚華]]が[[中央電視台]]のアナウンサーという政治色の強い職業から、まったく異なるロック界に飛び込んだということで、少し色物扱いされて注目されていたこともあり、普通の音楽だけの実力以外にもバンドに興味を持った人が多数いたと思われる。ただ、実際のところ、[[蔚華]]の[[ボーカル]]、稀代のメロディーメーカー・[[高旗]]による[[作詞]][[作曲]]、当時トップクラスの[[ギタリスト]]であった[[曹軍]]による[[ギター]]演奏などが噛み合うことで、中国のバンドとして、初めて海外のレコード会社と契約したのは頷ける。ただ、メンバーとしても初めての経験不足などにより、契約問題でこじれ、バンドの絶頂期であった1990年の絶好のタイミングで中国でアルバムを発売することができなかったほか、その後、[[魔岩唱片]]の[[黒豹楽隊]]・[[唐朝楽隊]]に対する大々的なプロモーションに対して、呼吸楽隊はまったく宣伝されず、また中国でアルバムを発売したのが1993年で、同時期に発売した彼らより音楽的にも古いスタイルとなってしまっており、[[蔚華]]の脱退による活動休止も、人気の陰りを分かった上での脱退のだったのかもしれない。
  
 
== ディスコグラフィー ==
 
== ディスコグラフィー ==
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*'''[[呼吸（呼吸楽隊）|呼吸]]'''（1993年）
 
*'''[[呼吸（呼吸楽隊）|呼吸]]'''（1993年）
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=== 非売品 ===
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*'''[[呼吸（Test Press）（呼吸楽隊）|呼吸（Test Press）]]'''（2015年9月29日）
  
 
=== ソロ発表曲　===
 
=== ソロ発表曲　===
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*[[馬克西姆餐庁/1989年4月|1989年4月　北京市　馬克西姆餐庁　PARTY]]　呼吸楽隊と名乗ってから初ライブ
 
*[[馬克西姆餐庁/1989年4月|1989年4月　北京市　馬克西姆餐庁　PARTY]]　呼吸楽隊と名乗ってから初ライブ
 
*[[日壇公園/1989年4月|1989年4月　北京市　日壇公園]]
 
*[[日壇公園/1989年4月|1989年4月　北京市　日壇公園]]
 +
*[[呼和浩特市体育館/1990年|1990年　内モンゴル自治区呼和浩特市　呼和浩特市体育館　揺滾擂台賽]]
 +
*[[1990現代音楽演唱会|1990年2月17・18日　北京市　首都体育館　1990現代音楽演唱会]]
 +
*1990年頃　[[山東省]][[済南市]]
 +
*[[深圳之春/1990年5月|1990年5月　広東省深圳市　香蜜湖度暇村　'90深圳之春]]
 
*[[北京外国語学院/1990年5月|1990年5月　北京市　北京外国語学院　五四青年節]]
 
*[[北京外国語学院/1990年5月|1990年5月　北京市　北京外国語学院　五四青年節]]
−
*[[90現代音楽演唱会|1990年2月17・18日　北京市　首都体育館　90現代音楽演唱会]]
+
*[[天地大廈/1991年1月末|1991年1月末　北京市　天地大廈]]
−
*[[深圳之春|1990年5月　広東省深圳市　深圳之春]]
+
*[[西安協和大酒店/1991年3月27日|1991年3月27日　陝西省西安市　西安協和大酒店]]
 +
*[[上海体育館/1991年秋|1991年秋　上海市　上海体育館]]
 
*[[太原市/1991年12月|1991年12月　山西省太原市]]
 
*[[太原市/1991年12月|1991年12月　山西省太原市]]
−
*[[『揺滾北京』発売記念|1993年3月　北京市　『揺滾北京』発売記念ライブ]]
+
*[[外交人員大酒家/1992年7月11日|1992年7月11日　北京市　外交人員大酒家]]
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*1993年1月21日　[[遼寧電視台]]　『関東美晩会』
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*[[四川省展覧館/1993年2月28日|1993年2月28日　四川省成都市　四川省展覧館]]
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*[[蘇珊娜美食中心/1993年3月26日|1993年3月26日　北京市　蘇珊娜美食中心]]
 
*[[奥運－中国之夢|1993年7月18・19日　北京市　首都体育館　奥運－中国之夢]]
 
*[[奥運－中国之夢|1993年7月18・19日　北京市　首都体育館　奥運－中国之夢]]
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*1998年7月　マレーシア・クアランプール　出演：[[崔健]]・[[唐朝楽隊]]・呼吸楽隊
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*[[FOREIGN EXCHANGE/1999年7月17日|1999年7月17日　北京市　FOREIGN EXCHANGE]]
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*1999年　[[北京市]]　バー　毎週ライブ
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*[[首都体育館/2000年1月3日|2000年1月3日　北京市　首都体育館]]　クレジット：新呼吸楽隊
  
 
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呼吸楽隊
Huxi 11.jpg
1990年 - 1991年秋のメンバー。左から：鄒世冬・蔚華・曹軍・趙牧陽・柳文利・高旗。雑誌『環球歌壇　中外明星画刊』（中国電影出版社、1992年）より。（写真提供：幸治隆子さん）
基本情報
中国語名（簡体字） 呼吸
中国語名（繁体字） 呼吸
拼音 Huxi
発音転記 フゥシィ
英語名・外国語名 THE BREATHING
出身地 北京市
ジャンル ハードロック・ブルース・ポップロック
職業 ライブバー専属バンド
活動期間 1989年初 - 1993年
1998年? - 1999年
メンバー 曹軍
柳文利
顧忠
馬禾
鄒世冬
1993年前後のメンバー。（写真：書籍『揺滾夢尋』）
1992年9月18日、アートフィルム『孩子 太陽 世界』撮影時。（写真：BLOG）
黄河にて。（写真：BLOG）
河北電視台での写真。1991年秋以降のメンバー。（写真：BLOG）
左から：高旗・鄒世冬・蔚華・柳文利・趙牧陽・曹均。（写真提供：周俭、优蝶）
1998年8月1日のライブポスターより。（写真提供：周俭、优蝶）

呼吸楽隊（フゥシィ、Huxi）は、1980年代末から1990年代にかけて、北京市で活動していたバンド。紅一点の蔚華のボーカルが国内外で注目を浴びた。

メンバー

過去に在籍したメンバー

経歴

初の海外レコード会社との契約バンドとして

1988年末、高旗や曹軍の2人で結成したバンドに、劉効松・呉運涛・鄒世冬が参加する。1989年初には初ライブを行なった。この時は、高旗がボーカルを務めた。間もなくして女性の蔚華がボーカリストとして参加し、呼吸楽隊が結成となった。バンド名の意味は「音楽を空気のように満たそう」で、蔚華が名付けた。4月、呼吸楽隊と名乗ってから初のライブを行なった。蔚華によるボーカルはすぐに音楽関係者の興味を引き、6月1日には、台湾の滾石唱片のロックレーベル・真言社公司とアルバム契約をした。中国初の海外のレコード会社との契約バンドとなる。契約してからは、毎月2000元の月給をもらったほか、1万元強分の楽器などの設備を購入してもらい、一躍北京ロック界で大金持ちとなる。しかし、まったくレコーディングしないまま、契約解除となった。それは蔚華が1人でKenny Bloomの会社・KB Communicationsと契約してしまい、残ったメンバーは活動が真言社公司の契約通りに動くことができなくなってしまったためである。その後、呼吸楽隊はKB Communicationsとバンドとして契約した。12月からレコーディングを開始し、2ヶ月程度でアルバムが完成となった。このレコーディング前に劉効松がバンドを離れることになり、レコーディングに参加しなかった。

人気の絶頂期

1990年初、趙牧陽が加入する。2月17・18日には、北京市の首都体育館で開かれた1990現代音楽演唱会に出演し、トリを務めた。この時、高旗・曹軍が1曲ずつ、蔚華が3曲ボーカルを担当した。また、柳文利が第3のギタリストとして加入したが、呉運涛が脱退したことで、柳文利はベースを担当した。

1990現代音楽演唱会以降は、人気も急上昇し、毎月コンサートがあり、大陸中を駆け巡っていた。5月には北京市のロックバンドによる初の外地遠征となる深圳之春コンサートに出演した。8月、台湾と香港で1stアルバムが発売となったが、KB Communicationsと先に契約した時に蔚華1人での契約が先であったため、レコード会社によって、アーティスト名が衛華、アルバム名が『太陽昇』という名前で発売され、当初バンドが意図していたものとは異なってしまった。本来は、台湾・香港・シンガポール・マレーシア・中国同時発売を考えていたが、中国盤発売当日の朝になり、発売中止の通達が来たため、お蔵入りとなった。のちに蔚華の中央電視台で司会を担当した映像がライブラリーから削除されるなど、文化部との軋轢があった経緯によるものだと思われる。諸問題があり発売までいろいろ困難に見舞われたアルバムだが、メンバーからしてみれば納得のいく出来ではなく、11月にドラムを新しく追加レコーディングしたほか、リミックスし直した。

1991年秋、音楽スタイルの違いから、高旗と趙牧陽が脱退した。代わりに馬禾・顧忠が加入、柳文利がリズムギターに変更となった。

1992年9月18日、1992年の国際減災日を記念したアートフィルム『孩子 太陽 世界』を河北省秦皇島市の海の上に作られた特設舞台で撮影した。

1993年にはリミックス版の1stアルバム『呼吸』が中国国内で発売となった。この中国盤の発売によって、ようやく呼吸楽隊の名前が公表されることになり、音楽ファンに知れ渡ることになった。3月には、オムニバス・アルバム『揺滾北京』発売記念ライブに参加し、そこで「新世界」を歌った。7月18・19日には、北京市の首都体育館で行なわれた奥運－中国之夢大型ロックコンサートに参加した。のちに蔚華も語っているが、このコンサートは大失敗に終わり、その失意もあり、蔚華が脱退してしまい、バンドは活動を停止した。

蔚華脱退後

数年後、新たなメンバーを加えてバンド活動を少しづつ再開した。ただ、蔚華がバンドに復帰することはなかった。

1999年には、北京市のバーで毎週ライブを行なった。この頃は欧米のヒット曲のカバーを演奏していた。同年、流行歌手の思暘がアルバムを発売した。そのレコーディングには、呼吸楽隊の面々が参加していたが、呼吸楽隊として参加したわけではない。呼吸楽隊のメンバー自体の関係が良かったため、一緒にレコーディングを行なっただけである。

2002年半ばになり、曹軍・鄒世冬・馬禾の3人は、深呼吸楽隊を結成した。

2003年11月、中国ロック初期の曲を集めたオムニバス・アルバム『吶喊　為了中国曽経的揺滾』が発売となり、そこに「每次都想拥抱你」が収録された。

評価

中国初の女性ボーカリストによるロックバンドで、その女性ボーカリスト・蔚華が中央電視台のアナウンサーという政治色の強い職業から、まったく異なるロック界に飛び込んだということで、少し色物扱いされて注目されていたこともあり、普通の音楽だけの実力以外にもバンドに興味を持った人が多数いたと思われる。ただ、実際のところ、蔚華のボーカル、稀代のメロディーメーカー・高旗による作詞作曲、当時トップクラスのギタリストであった曹軍によるギター演奏などが噛み合うことで、中国のバンドとして、初めて海外のレコード会社と契約したのは頷ける。ただ、メンバーとしても初めての経験不足などにより、契約問題でこじれ、バンドの絶頂期であった1990年の絶好のタイミングで中国でアルバムを発売することができなかったほか、その後、魔岩唱片の黒豹楽隊・唐朝楽隊に対する大々的なプロモーションに対して、呼吸楽隊はまったく宣伝されず、また中国でアルバムを発売したのが1993年で、同時期に発売した彼らより音楽的にも古いスタイルとなってしまっており、蔚華の脱退による活動休止も、人気の陰りを分かった上での脱退のだったのかもしれない。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

非売品

ソロ発表曲　

曲名アルバム名発表年備考
新世界POP AND ROCK IN CHINA1993
新世界揺滾北京1993
新世界揺滾衝撃波21994
新世界流行・揺滾　王暁京制作歌曲精選'90～'97 21997
爱的光芒中国大揺滾 - 献給国際減災十年1993/1/8
爱的光芒（太阳升）揺滾衝撃波11994
爱的光芒中国揺滾経典1995
让我站立起中国大揺滾 - 献給国際減災十年1993/1/8
让我站立起中国揺滾精華版（第一集）1994
挥起手中国揺滾精華版（第二集）1994
只想请你看着我中国揺滾精華版（第二集）1994
只想请你看着我中国揺滾経典1995
每次都想拥抱你吶喊　為了中国曽経的揺滾2003/111stアルバム（中国盤）より

主要なライブ・コンサート

外部リンク

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